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ランニングの痛みに関する怒涛のQ&A【エビデンスベース】

ランニングに対する様々な疑問を、2023年現在のエビデンスに基づいてQ&A形式で回答していきます。Let’s go!!

初心者はクッション性があるシューズのほうが良いですか?

NO。基本的に厚底や薄底は負担がかかる部位が違うだけです。クッション性(厚底)が足に優しいということはありません。長い目でみると薄底のほうがケガをしにくい身体になります。

接地の仕方により脚への負担は変わりますか?

YES。人間の足は踵側よりも中央や前側のほうが衝撃吸収の機能が高いのでヒールストライク(深い角度ほど悪い)よりはミッド・フォアのほうが負担は少ないです。高くジャンプする時は無意識で踵着地を避けるのはその理由です。ただし接地とは意識して変えると不自然となるので、自然とそうなるように誘導することが大切です。

どのタイプのシューズを履くことが最も速く走れますか?

現在のエビデンスベースでは軽さ以外にはっきりと速さに繋がる要素はないです。(100g毎に0.7~1.0%酸素消費を増加させる)

走ると将来変形性の関節症になるのでは?

NO。未運動者のほうが市民ランナー(週数回の活動)よりリスクが高い。ただしトップアスリートは高い傾向にある。(適度の負荷が身体には必要です)

現在、脚をケガ中です。最も脚に負担が少ない運動はウォーキングですか?

NO。水中、自転車のほうがストレスは少ないです。(ただし一部のケガはそうではない)

痛み止め(NSAIDs)を飲んだほうが早く治りますか?

NO。初期の痛みは軽くなるが、最終的な組織の回復にはむしろ時間がかかる。そして、生理学的に有害。

ケガ中にエアロバイクなどのクロストレーニングは意味がありますか?

筋力的な意味は薄いですが、生理的ストレス(心肺機能・代謝機能)には有効なのでパフォーマンス維持に役立ちます。

静的(スタティック)ストレッチは運動前・運動中にする必要はありますか?

NO。筋肉の温度を上げられずアップには向きません。そして、スピード・筋力・持久力に悪影響となります。ちなみに運動後に行っても筋肉痛や回復にも効果は発揮しません。(運動後はやっていけないということではない)

では、運動前はどんなことをすればよいですか?

動的(バリスティック)ストレッチです。伸ばすことが目的ではなく、筋肉を温めることが目的となります。ジョギングのような低強度の運動の場合はストレッチをしなくとも問題ありません。(より遅いジョギングやウォーキングからスタートするでも)

静的ストレッチは行う必要がないですか?

”柔らかい=ケガをしない”わけではないので特別硬い部分が無ければ必要ないですが、ランニング動作においては腸腰筋や大腿四頭筋はある程度の柔軟性があったほうがパフォーマンスにおいて良いとされています。

足底板(インソール)の使用は有効ですか?

偏平足やプロネーションには影響がないとされています。ただし足裏の負荷分散には効果的なので、足底腱膜炎やアキレス腱障害の対処療法としては有効かもしれません。

アスファルト以外に土や凸凹な路面を走るメリットはありますか?

様々な運動パターンを刺激するのに役立ちます(足部が強くなる)。ただし急に別の路面ばかり走ることはケガのリスクがあるので、少量もしくは少しずつ増やしていきましょう。また、路面の多様性は負荷を分散されるため一部のケガ中でも有効です。

初心者がランニングで痛みを出さないためのアドバイスはありますか?

週1~2回ではランニングに対する身体の適応が遅くなります。短い距離で良いので頻繁に行いましょう。(週2回5キロずつ走るよりも、週4回2キロずつが良い)

コンプレッションギアに効果はありますか?

現状のエビデンスではありませんが、装着することがデメリットにもなりません。メリットを感じるなら使いましょう(私は下腿に使います)。

多そうな疑問について簡単にまとめてみました。何か役立つことがあれば幸いです。楽しいランニング生活を送りましょう!

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