交通事故での代表的な症状は首や腰のむち打ち症(頚部捻挫)です。
むち打ちはレントゲンやMRIのような画像診断では特に問題はでませんが、意外と完治までに期間がかかります。病名に捻挫とついていますが足首の捻挫のように数週間で完治とはいきません。ただ、症状はそれぞれ違うので1ヵ月で終わる方もいれば、半年くらいかかる方もいます。
今回は数ヵ月かかるむち打ち症のケースでのしぶや整骨院での治療の流れを解説します。
初期(受傷~1ヵ月)

初期は痛みや動きの制限が強いのは当然ですが、頭痛や吐き気がともなうことが多いです。朝から晩まで辛いので、”これ本当に治るの?”と考えてしまう方もいます。
この期間に優先することは日常生活動作の苦痛を早く取り除き、”黙っていれば問題ない”という状態に早くもっていくことで、主に治療機器での施術となります。当院では電気治療も行いますが、超音波やメディセル筋膜治療機にて筋肉のケアなどが多いです。関節を積極的に動かすようなリハビリはまだ控えます。
吐き気は初期、頭痛も半月くらいで無くなることが多いです。あまりにも症状が強い場合は病院で処方された痛み止めを飲んでも構いませんが、痛み止めでしのぐのはなるべく短期間にしたいところです。最近では使うことが少なくなっているネックカラー(首に巻くサポーター)ですが、これも症状が強ければ仕方ないですが短期間にしたいですね。
・初期は頭痛や吐き気もあり、黙っていても辛い場合がある。
・上記の症状は半月ほどで軽減する。
・この時期は痛み止めを使うのは致し方ない。
中期(2~3ヵ月)

この時期は動かした際の痛みやハリ感、また肩こりのような重苦しい感じがあります。初期のような鋭い痛みは少なくなりますが、やはり日常のストレスはあります。ここからは初期同様の治療機器を使いながらも、ある程度動かしていくことが必要です。治療とは痛みを無くすことは当然ですが、機能も完全に戻す必要があるからです。
当院では初期の治療の他に、私の手で行う運動療法が始まります。これを行うことで、筋肉の硬さを取りながら首の動きもよくなります。
・症状は動かした時の痛みや重苦しさ。
・機能回復のために運動療法(整体)を行う。
・軽度な場合は最初からこのゾーンの治療を行う。
後期(~終了まで)
だいたい最後に残るのは重苦しさ(コリ感)です。
これまでの治療でその方に合っているものを選択して完治まで向かいます。同じ病名でも効果的な治療は違いますが、数ヵ月の過程でその方に合うものは見つかっているはずです。多くの場合は運動療法かメディセル筋膜療法を行います。
保険会社とのやりとり
普通のケガであれば自分で治療のペースを決められますが、自賠責は期限があります。
しかもその期限は開始時に分かっているわけではなく、急に保険会社からせかされる場合も多いです。保険会社は事故の規模で判断しようとすることが多いですが、私の経験ではそう単純なものではないです。患者様自身も保険会社に症状をしっかり伝えていくことが大切です。
私も保険会社への症状報告や、なぜまだ治療が必要なのかをしっかり伝達しています。患者様が頑張っても病院や整骨院がそのあたりを怠ると治療の継続が難しくなります。
初期や中期の症状で保険を打ち切られたら最悪です。ホットパックだけ、マッサージベッドだけという治療では、かなり軽傷でない限りは完治は難しいと思います(というかこれは治療なのか?)。私個人としてはむち打ちの定番である牽引治療も現代では脇役レベルなので、やらないことも多いです。
・保険会社とのコミュニケーションが重要
(患者様も病院・整骨院も)
・明らかに効いていない治療で貴重な期限を消費しない
整骨院で事故の治療をするには
整骨院で治療をするとしても、必ず病院と並行で通うことになります。事故直後は症状が軽度でも病院でレントゲンなどの診断をうけましょう。
普段の治療は整骨院で行い、月1回は病院で診察を受けるという流れが多いです。特に総合病院に通院させている場合は投薬のみでリハビリ治療を行わないのでその形が多くなります。治療を始めて日数が経過していても、病院の受付時間に通えない場合や症状の回復が思わしくない場合など途中から整骨院に通院することも可能です。
交通事故の通院はわからないことが多いと思うので公式LINEにてご相談を受け付けています。当院への通院とならなくても問題ないのでお悩み窓口くらいの感覚でご利用ください。

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