筋膜療法とは要は筋膜リリースと同じなのですが、筋膜リリース自体を知らない方も多いです。今回は筋膜についてと、それをリリース(剥がす)するメリット、そしてリリースのコツについて解説します。
筋膜とは
筋膜は筋肉・骨・臓器・血管・神経など様々な組織を包みこみ、それぞれの場所に適正に位置するように支えています。水分が多く、隣り合った組織が滑らかに動きあえる役割も果たします。

筋膜が癒着するとどうなるのか
筋膜は水分が多いので、隣り合った組織が滑らかに動きあうことが出来ます。ですが、日常の不良姿勢や偏った動作、筋肉の使い過ぎによりベタベタなゲル状になり、各組織がスムーズに活動出来なくなるため、痛みや重苦しさ、動きの硬さを感じるようになります。この状態を筋膜が癒着していると表現し、肩こりや慢性腰痛、五十肩、怪我後の動きが悪くなった関節では、ほぼ間違いなく癒着が起きているでしょう。
血流やリンパの循環も悪くなるため、たるみ・むくみに繋がります。ということは筋膜の癒着は見た目にも係わるということです。
どうすると癒着が剥がれるのか
癒着を剥がす=筋膜リリースですが、ストレッチやマッサージが効果的で、それが肩こりが軽くなる理由です。
ですが、肩こりといってもどこをどうストレッチやマッサージするかにより効果は変わります。筋膜は全身で連結しているので、重苦しさを感じている場所だけに癒着が発生しているわけではありません。関係なさそうでも腕や腰の癒着で肩こりを感じる場合もあるんです。
筋膜のルートを知ることはとても難しいので、本格的に改善するにはプロに頼ったほうが良いかもしれませんが、自分のケアでも症状を緩和できますし、軽い肩こり腰痛なら完治させられるでしょう。ここではストレッチの仕方は説明しませんが、取り組む際のコツをお伝えします。
温めてからおこなう
筋膜は温度が低いほどベトベトに粘度が増すので、身体が温まっている時に行いましょう。お風呂上りのストレッチが良いというのはこういう理由があります。
終わったら水を飲む
しっかりストレッチをして筋膜が緩んだら、常温の水を飲んでください。これは、血流やリンパを流すためと、筋膜に水分を送り込むためです。些細なことですが、簡単に出来ることなのでぜひやってください。
マッサージは押さない
凝った筋肉はどうしても強く押したい気持ちになってしましますが、基本的に上から下に押すことで筋膜は剥がれません。下の図の左側を見て下さい、癒着している部分を垂直に強く押したら剥がれそうですか?

マッサージのイメージはこの癒着部分をずらすです。軽く圧を加えてこする・さするような感じです。下は胸の筋肉のマッサージのやりかたですが、こんな感じで指で軽く圧をかけて上下左右にさすります。親指でグイグイ押さないでくださいね!

メディセル筋膜療法

筋膜とその剥がし方を説明しましたが、次はメディセル筋膜療法についての解説です。この治療機器は多くの治療院や美容サロンに設置されてきています。マッサージでは患部をさすると言いましたが、メディセルは”引く”ことで筋膜を剥がします。

徒手で行う4倍のスピードで筋膜リリースが可能と言われていますが、私自身もそのくらいの差を感じていて、肩こり腰痛はもちろん、五十肩は短時間で効果を出せます。硬い関節の改善には非常に良いです。
巻き肩やストレートネックでは胸や腕の筋肉を緩める必要がありますが、下のビフォーアフターの施術時間は10分ほどで行っています。さすがに徒手によるマッサージ10分では厳しいと思います。
メディセルのみで肩こりを解決出来るかといえばそうではありませんが、時間対効果は非常に高い機器です。興味がある方は近所に導入施設があるか調べてみて下さい。
しぶや整骨院では
私はメディセルでは皮膚付近の浅い筋膜はリリース出来ている実感はありますが、深部の筋膜はそれのみでは難しいと感じています(扱いがまだまだなのかも・・汗)。なので残っている癒着に関しては、手技で行います。
筋膜は全身で連結しているので、肩の動きを治すのに肘より下を施術することもありますが、そこを押されて何となく痛いこと、そしてマッサージ後に肩の特定の動きが改善すると皆さん驚かれますが、その辺りが筋膜の難しいところで、専門的な知識が必要になります。
しかし、手の届きやすい部位で癒着が起きている所はお客様に指導しています。重度の症状ほど広範囲に癒着が起きているので、私一人でゴールを目指すより、二人で行くほうが早く辿り着けるし、また同じ症状が出た時には自分で対処する力も身に付きますからね。
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