”心理的な影響は痛みに関与する”というのはこの業界にいれば当たり前に知っていることです。
どういうことかと言うと、患者様のネガティブな心理は痛みを長引かせるということです。”病は気から”というのは現実にあります。
私たちセラピスト、病院の先生やスタッフ、これらの職種は安易にネガティブな発言をするべきではないですが、現実としてそれはありうるので受診者の皆様もぜひ意識してほしいのです。
ありがちなネガティブ発言とその真意について深堀していきたいと思います。
「歳だから仕方がない」
「歳だから仕方がない」と先生に言われることは多いようです。特に、変形性の関節症の方が言われている感じがします(基本的に骨は加齢とともに変形しやすい)。
これは「私はあなたの症状はどうしようもありません」というギブアップ?
でも、通院は推奨するの?と困惑しますよね。
個人的にこの発言自体は否定しませんが(全く賛成もしないけど)、より詳しく患者様への説明が必要だと思います。この”歳だから仕方がない”という状態がどのようなことなのかは主に下記のパターンです。
痛みがなくなることはない
状態がかなり悪く今後痛みがなくなることはないという状況、または手術的な対応しか方法がない場合です。「仕方がない」と言われた方の多くが自分がこの状況だと受け取っていると感じますが、実際はこのステージではないことがほとんどです。
痛みは緩和するが完治はしない
”骨の変形は仕方がないけど痛みはどうにかなるよ”という状況です。実際はこれが一番多いと思うのですが、「歳だから仕方がない」だけの発言だと痛みもどうしようもないんだ・・と勘違いするのも無理もありません。
例えば変形性関節症であれば変形自体はどうしようもなく、変形を戻すことを完治と言うのなら可能性はゼロです。ですが、脊柱も膝もみんな変形しますが全員痛いわけではないですよね?
下記のグラフを参考にすると、”変形=痛み”であるならば高齢者のほぼ全員が首や腰が痛いことになります。

「〇〇は辞めた方がいい」

これもよく聞きますが主に運動的なものですね。膝のために今している運動は辞めたほうがいいなのです。痛めている関節の今後を考えると致し方ない場合は確かにありますが、どう考えてもそこまで真剣に検討していないのにこの発言をしている場合もあるように感じます。
趣味で一つのスポーツをする人にとって、それを取り上げられる絶望は計り知れないと思います。(私なら廃人になれる自信がある笑)
まずは”どうすれば継続できる可能性があるのか”や”どういう形での活動ならいけそうか”を先生に聞いてみましょう。活動頻度や強度、または治療を継続しながらなら可能かなどですね。
「体重を落とさないと治らない」
これもよく聞きますね。主に、股関節や膝などの荷重がかかる部位の疾患に対して言われることが多いです。
確かにそれらの関節に対しての体重による負担差は大きいと思いますが、それほど太っていない方に対しても言われていることが多いと感じます。その場合は体重を減らすことが有効かはかなり疑問です。
”食事制限をしてでもとりあえず体重を減らすのか”、”体重は変わらないが筋力をつけるのか”だと個人的には後者のほうがメリットを感じます。
先生の気分を気にしすぎない
ネガティブ発言を言われることについては患者様にはどうしようもありませんが、全て真に受けて絶望してしまえば症状が緩和する可能性が一気に低くなります。
先生に”どこまでなら良くなるのか” ”どうすれば良くなりそうか”などを納得できるまで質問しましょう。先生が言った発言の意味と患者様が受け取った意味がずれていることがほとんどです。もちろんこれは先生側が気をつけるべきことですが、残念ながら全ての先生がそうとは限りません。
色々と質問されることを嫌がる先生もいるかもしれませんが、病院や整骨院の先生などそこら中にいるので一人二人に嫌われてもノーダメージです(笑)。微妙な対応の先生が多いのも事実ですが、良い先生もたくさんいます。
とにかくあなたがポジティブに症状に向き合うことが、良い治療の第一歩です。
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